電磁鋼板の研究♪

こんにちは☆朋花です♪大学で磁性材料っていうマニアックな研究をしています(^^)/そんなリケジョ朋花が初心者の方向けに「電磁鋼板」について解説します☆このブログで皆さんの「分からない」が少しでも解消したら嬉しく思います♪

方向性電磁鋼板の製造方法

方向性電磁鋼板は磁化容易方向が圧延方向に平行なGoss方位{110}<100>の結晶粒を持っています。この方位を得るために、①回復→②一次再結晶→③二次再結晶の段階を経ます。

①回復

加工によって歪エネルギーが蓄積された状態の金属に熱を加えると、歪エネルギーを解放して加工前の状態に移行しようとする回復の段階があります。

②一次再結晶

さらに熱を加えると歪の少ない新しい結晶粒が発生し、比較的歪が多く残留している他の結晶粒を蚕食しながら成長する再結晶の段階があります。

③二次再結晶

再結晶粒が全面を覆った後、加熱を続けると結晶粒の成長が起き、さらに高温まで加熱し続けると、再結晶組織に含まれる特定の方位を持つ結晶が急激に成長して全体を占めることがあります。これを二次再結晶といいます。

二次再結晶を起こさせるには、連続焼鈍後にインヒビターと呼ばれる微細な析出物が生じることが最も重要です。

インヒビターとして有名なものに、窒化アルミニウム・硫化マンガン等があります。

また、冷延圧下率も重要です。

圧下率が低すぎると、Goss方位からのずれが大きい結晶粒が現れ、結果として磁束密度が下がります。

逆に圧下率が高すぎるとかえって二次再結晶しません。

成分によって、最適な条件は変わるので、注意が必要です。