鉄損とその要因
電気機器の鉄心(電磁鋼板)の中で消費されるエネルギー損失を鉄損といいます。
鉄損は電磁鋼板1kgに対し、何Wattの損失があるか(W/kg)で表わされます。
鉄損のJIS規格には、使用される交流の周波数50Hz、磁束密度1.7T(テスラ)に対する鉄損をW17/50(W/kg)で表わされると記載があります。
鉄損はエネルギー損失なので、低いほうが良いです。
鉄損には渦電流損とヒステリシス損があります。
鉄損を下げる要因としては、以下のものがあります。
①固有抵抗
Si、Al、P、Mn等を添加すると、固有抵抗が高くなり、鉄損(渦電流損)が低減します。
②板厚
板厚が薄いと、鉄損(渦電流損)が下がります。
③磁区幅
レーザーで磁区幅を狭くすると、鉄損(渦電流損)が下がります。
④磁束密度
磁束密度が低いほうが、鉄損は低い(ヒステリシス損)です。
その他、ヒステリシス損は周波数に比例して大きくなります。