磁束密度(B)・透磁率(μ)・磁化力(H)
電磁鋼板を研究する上で、最も目にするのが、下の式です。
磁束密度(B)=透磁率(μ)×磁化力(H)
高校でも習って散々計算をさせられた記憶がありますが、研究を始めた当初は意味がよく分かってなかったので、ここで整理してみました(´・ω・`)
まず、磁束密度とは、磁力線の密度を言います。一般に磁束密度の値は高いほど良いとされます。単位はテスラ(T)を使います。
続いて、磁化力とは、磁力線を作り出す力を言います。電流値と導線の巻数の積で表わされます。単位はアンペア毎メートル(A/m)を使います。
そして、透磁率とは、磁力線の透しやすさの尺度です。上の式を変形して、磁束密度/磁化力で表わされます。
また、「飽和磁束密度」という言葉があります。これは、その物質に対してこれ以上通すことができない磁力線の数を意味します。飽和磁束密度は純鉄が一番高く、合金元素が混入すると値が低下します。
電磁鋼板の用途
電磁鋼板は電気機器で電力を①発電する時、②送電する時、③消費する時に使われます♪
①発電する時
水力・火力・原子力等の化学的・物理的エネルギーを電気エネルギーに変換する変電所の発電機の鉄心に電磁鋼板が使われています。発電する場合、性能が重視されます。
②送電する時
発電された電気エネルギーを消費地まで効率よく送るには電圧を上げる必要があります。また、消費地に着いたら、用途に応じて電圧を下げる必要があります。その際に用いられるのが変圧器で、その鉄心に電磁鋼板が使われています。送電する場合、性能が重視されます。
③消費する時
電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する際にモーターが用いられますが、その鉄心に電磁鋼板が使われています。消費する場合、性能よりもコストが重視される傾向があります。